歯科用語集 「楔状欠損、くさび状欠損」 について
羽曳野の加藤歯科です。
楔状欠損(くさび状欠損)とは、エナメル質とセメント質の間の歯頸部(エナメル-セメント境)にできる欠損・へこみのことです。
WSDとも呼ばれます。
ある程度進行すると、知覚過敏などの症状が出ます。
くさび状欠損は誤ったブラッシングが原因で作られると長年考えられてきましたが、ブラッシングをしていない部位にも見られることや、歯ブラシを使用する習慣のなかった古代人や動物の歯にもくさび状欠損があるという報告もあること、また、犬の歯をひたすらブラッシングする実験では楔状欠損は出来なかったことなどから、現在ではブラッシングが楔状欠損の原因であるという説は疑問視されています。
むしろ重要なのは咬合(噛み合わせ)で、咬合力によって歯頚部に引張り応力が集中し、歯質の破壊が起きるのではないかと考えられています。
このように、咬合力によって起こる歯頸部の歯質の破壊のことをアブフラクションと言い、くさび状欠損=アブフラクションだと言っている歯科医師もいます。
ただ、ブラッシングを過度に行なっていたヨーロッパ諸国では楔状欠損が高頻度で見られるということもあるので、おそらく誤ったブラッシングはくさび状欠損をを助長する因子の一つなのでしょう。
羽曳野市・古市駅の加藤歯科