院長が伝えたいインプラント手術の後に気をつけたい知っておいて欲しいこと
こんにちは! 大阪府羽曳野市 医療法人えみは会 加藤総合歯科・矯正歯科 理事長 加藤直之です。 近年注目を集めているインプラント治療ですが、一般的な歯科治療とは異なり、外科手術を要する治療のため大きな治療になります。 この記事ではインプラント手術に関する内容と、手術後の過ごし方についてご紹介します。インプラント治療をした方も検討中の人もぜひ参考にしてみてくださいね。
目次
インプラントは術後すぐに使えない
インプラントの治療法には1回法と2回法と呼ばれる2種類があります。
どちらを選択した場合でも必ずインプラントを埋入する手術を要しますが、1回法であれば術後の経過を見て人工歯(上部構造)を被せて完了になります。2回法は、インプラント埋入手術にプラスして、インプラント上部の粘膜を切開し、アバットメントを連結する手術の、2回にわたっての手術が必要になります。
1回法は、顎骨の厚みが十分であると判断された方のみ適用できる治療法になるため、ほとんどの方が2回法の治療を選択することになります。インプラントでの手術は1回と思っている方も多いかもしれませんが、大体の方は2回の手術が必要になります。
2回法では、1回目の術後3ヶ月~6ヶ月ほど経過した後に、アバットメントの連結が行われます。そのため、完全に治療が終わるまでは術後のおうちでのケアやメンテナンスが重要になります。
インプラント治療の流れ
インプラント治療は、主に以下のような流れで行われます。
• カウンセリング・口腔内の検査など
• 顎骨に人工の歯根(インプラント体)を埋め込む手術
• 人工歯の製作と装着
• 治療後のメンテナンス・定期検診
上部の歯の部分が使えるのは約半年後
1回目の術後3ヶ月~6ヶ月ほど経過した後に、アバットメントの連結が行われ、上部の歯の部分が使用できるようになるのは約半年後になります。
インプラント手術後の気になる食事
麻酔が効いているうちは口元の感覚が失われているので、火傷をしたり頬や唇を強く噛んでしまう危険性があります。麻酔が切れるまでは飲み物だけにするのが良いでしょう。麻酔が切れてからも、術後1週間程度はやわらかいものを選ぶのがおすすめです。
インプラント手術後のオススメの食事
うどんやおかゆ、スープなど、やわらかいものを選ぶようにし、噛む力が必要な硬いものや辛いものなどの刺激物、ガムは避けましょう。
食事をする際の注意点
やわらかいものを食べる場合でも、細かく切る、少量にして食べるなどの工夫で口元に負担がないように配慮することが大切です。噛む時は施術した反対側の方で咀嚼し、ゆっくり食べ進めましょう。
インプラント手術後の出血、腫れ、痛み
インプラントの手術は、局所麻酔を用いて行われます。(患者様の要望に応じて静脈内鎮静法も適用されます)手術中は麻酔が効いているためほとんど痛みはありませんが、麻酔が切れた後には痛みが生じやすくなります。腫れは術後3日目くらいにピークを迎えます。
また、歯科医院でも術後に止血は行われますが、時間が経過すると血が滲んできたり、当日中は、出血の量が多いケースもあります。
対処方法、出血、腫れ、痛みの回避策
術後の痛みが辛いときは、歯科医院で処方された鎮痛剤を飲んで痛みをコントロールしましょう。腫れは術後3日目くらいにピークを迎えますが、ひどい場合には、濡れたタオルや冷えピタなどで冷やすのも効果的です。術後の痛みも腫れも、1週間程度でやわらぐケースがほとんどです。
血が滲んできてしまう場合は、焦らずに医院にご連絡ください。
インプラントの術後に続くとマズいこと
鎮痛剤を飲んでも一向に効き目がない場合や、薬の量を増やしても変化が見られない場合は、速やかに担当医に相談しましょう。
そのほかにも、術後2日以上出血が見られたり、鼻から出血があったりする場合も速やかに相談する必要があります。上顎の手術をした場合、膿が出てしまうこともあり、下顎の手術の場合、下唇が震える、よだれが出るなどの症状が続くケースが稀にあります。いずれも施術部位周辺に問題や異常が起きている可能性があるので、すぐに相談するようにしましょう。
インプラント手術後の私生活の過ごし方は?
当日は血行を促し痛みが生じやすくなったり、出血の原因となる危険性があるので激しい運動や入浴は控えてシャワーで我慢し、熱いお湯も避けましょう。当日は、おうちで安静にしていることが一番です。
激しい運動は術後1週間は控え、軽い運動であっても、術後2~3日ほどはしないのがおすすめです。
術後2週間は、飲酒・喫煙は厳禁です。手術直後は担当医から薬が処方されますので指示通り、飲み忘れがないように服用することも大切ですよ。
手術箇所の歯磨きの仕方
インプラント手術後でも、汚れや菌が溢れかえっている口内では施術部位にも悪影響を及ぼす可能性があるため、施術部位以外はいつもどおりのお手入れが必要です。歯磨きは、毛先の柔らかい歯ブラシで行いましょう。ただし、施術部位やその周辺は歯磨きによって傷口が開いてしまったり、痛みが生じる原因となってしまうため、抜糸をするまではブラッシングするのを控えましょう。
術後の経過をよくするためにして欲しいこと
術後の経過をよくするためには、上記でも説明したように、食事に気を使い、入浴や運動を控えてとにかく安静にすることが重要です。また、おうちでのケアだけでは、どうしても不十分になってしまうため、術後も定期的にメンテナンスに通うことも重要です。
担当医に口腔内の状態や施術箇所の状態、そのほかの症状を診てもらうことで「異常はないか」「治療経過は順調か」を判断してもらうことができます。自己判断が難しい食事や運動、入浴など、日常生活における注意点や過ごし方も教えてもらえるので、メンテナンスは欠かせませんよ。
インプラント治療は、手術自体がうまくいっても、おうちでのケアやメンテナンスを怠ってしまうと、傷の治りが悪くなったり、感染症を引き起こしてしまうことがあります。大きな治療を終えて快適にインプラントを利用するためにも担当医の指示を守りながら、この記事で紹介した注意事項を意識して生活していきましょう。
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